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従業員の給与を増やしたら税金が安くなる!
2016年11月18日
従業員への給与を増やしたら法人税が安くなる制度があるのはご存知ですか?
具体的に言うと、資本金1億円以下の中小企業の場合、平成24年度より3%以上、従業員への給与等を増額した場合、その増加額の10%の税金を減税する制度です。ただし、上限は払う法人税の20%です。
適用要件は3つ。
ⅰ)資本金1億以下の中小企業の場合、平成24年度より3%以上、従業員給与を増やしていること (会社全体で給与賞与を3%以上増やしているか?)
ⅱ)給与等支給額が前年度より増加(前年より増やしているか?)
ⅲ)平均給与等支給額が前年度より増加
継続雇用者(2年に渡って在籍している従業員)の給与を増やしているか?
すべてを簡単に言い直すと、
ⅰ)は、リーマンショック、東北の震災後の平成24年よりたった3%以上増やしていればOKなので、今、利益を上げている中小企業はほとんどクリアできます。
ⅱ)は、前の年よりも1円でも多く従業員給与賞与を出していればOKです。
ⅲ)は、顧問税理士ががんばって計算してくれます。
そのため、経営者の方は、ⅱ)の前年よりも多く従業員に給与等を出したと思う場合には、顧問税理士さんに必ず、この制度(所得拡大促進税制)の適用を受けられるかどうか、確認することが必要です。
あとで気づいても、税務申告書に記載がなければ、遡っての適用は受けられません。
適用対象となる企業のイメージとしては、
・正社員にボーナスを増やした企業
・仕事が忙しく残業が増えた企業
・ベースアップした企業
など、思い当たれば、顧問税理士に確認しましょう!
ちなみに、来年(29年度)の税制改正では、この減税額を2倍にするよう、経済産業省が提案しています。
ただ、実際の実務では、払う法人税の20%が上限とされているため、今の制度でもこの上限に引っかかる企業がほとんどなので、実質的には減税額は増えないと思います。
(土井竜二)