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法人税引下げ方針決定、法人実効税率の推移
2015年12月08日
法人税率引き下げ方針決定
財務省と総務省が自民党の税制改正大綱に法人税の実効税率引き下げについて、29%台とするように提案しました。
これで、安倍政権が求めてきた法人実効税率20%台が、たった3年で実現することになります。
資本金1億円超の大企業の法人実効税率は、たった3年で7%超下がります。資本金1億円以下の中小企業の実効税率も同じように下がります。
参考として、【国と地方を合わせた法人の実効税率の推移と国際比較】.pdfを掲載します。
中小企業の経営者のみなさんは、法人税率が下がって行く現状を踏まえて、以下のことを検討しましょう。
1.役員報酬と会社の利益のバランス
年収3,000万円超の経営者の方は、個人の税率の方が法人より高くなります。
会社に内部留保した方が多くの資金を残せるため、役員報酬と会社の利益のバランスを再検討する必要があります。
2.課税の繰り延べ
節税保険や節税商品(オペレーティングリース)、特別償却できる資産の購入、役員退職金の支給など、税金を先送りする方法を検討しましょう。
今期払う税金よりも、来期以降に払う法人税は確実に安くなります。
3.資本金1億円超の赤字企業は減資
法人税率引き下げの代替財源として、外形標準課税が増税されます。
資本金1億円超の赤字企業は、減資を検討しましょう。
決算期末の資本金が1億円以下であれば、現行制度では外形標準課税の適用はありません。
(土井竜二)