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使ってはいけない!結婚・子育て資金一括贈与

2015年04月16日

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今年(平成27年度)の税制改正で新設された結婚・子育て資金一括贈与という制度があります。

これは、子どもや孫が祖母や祖父母から一括で1,000万円まで贈与を受けたとしても非課税となる制度です。

その1,000万円は結婚や子育てに必要な資金として使うことができます。

国の意図といては、お金持ちの高齢者からたくさんお金を使う若い世代に早期に現金を移転させたいようです。


なんだかすごく節税になるように思えますが、以下の理由からこの制度を使う意味はありません。

理由(1)
資金をあげた贈与者が死亡すると、その時点で残っている資金に、なんと相続税がかかる!
(似たような制度の教育資金贈与では相続税はかからない。だから教育資金贈与よりも駄目な制度)

理由(2)
子どもや孫のために資金が必要な都度、その実費をあげる分には贈与税は課税されない(※)

理由(3)
それなら、必要なお金をその都度あげた方が、子どもや孫から何度も感謝される

理由(4)
手続が面倒。
信託銀行に専用口座を開設したり領収書などを都度、銀行に提出したりする必要がある。

※相続税法
(贈与税の非課税財産)
第二十一条の三  次に掲げる財産の価額は、贈与税の課税価格に算入しない。
二  扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの


(土井竜二)