税務お役立ち情報&お知らせ
税務調査における反面調査
2011年10月24日
反面調査とは、調査対象となっている納税者の税務調査で帳簿書類や質問検査権の行使だけでは事実関係を確認することができない場合に、取引の相手方(得意先や仕入先業者など)に問題となっている事項の事実関係を確認するために行われる税務調査のことです。
反面調査の特徴は、
(1)当日に連絡か、あるいは事前連絡なしにいきなり調査にくる
(2)調査の対象となっているのは取引の相手方であり、自社ではない
(3)問題となっている事項の事実関係だけを調べたいので、特定の取引に関する帳簿書類の提示を求めてくる(全部の帳簿書類を見せろとは言われない)
反面調査はあくまで、調査官の最終の調査手段です。というか、最終の調査手段でなければないと思います。なぜなら、調査の対象となっている納税者ではない取引の相手方にその相手方の納税の調査ではない調査を行うわけですから、取引の相手方の負担も考えて、調査権限はかなり限定して考えるべきだと思います。
また、反面調査が行われることで、取引の信用を失ってしまうリスクもあります。
そのため、個人的な意見としては、
ⅰ)反面調査に行くことについて、納税者に事前に説明し承諾を得ること
ⅱ)取引の相手方へ反面調査の事前連絡
ⅲ)取引の相手方の承諾
ⅳ)取引の相手方に問題となっている事項の説明は一切しない
などを反面調査の要件としてもらいたいものです。
(土井竜二)