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中小企業の法人実効税率も下がります
2016年02月05日
中小企業の法人実効税率
資本金1億円以下の中小企業の法人実効税率は、平成28年度の税制改正大綱によると何%になるか、計算してみます。
これからの法定実効税率は以下の算式で計算できます。
法定実効税率=(法人税率+法人税率×(法人住民税率+地方法人税率)+事業税率+所得割標準税率×乗じる税率)/(1+事業税率+所得割標準税率×乗じる税率)
課税所得800万円超の部分で標準税率で計算すると、
平成28年度(平成28年4月1日以降開始事業年度)からは、33.8%になります。
ちなみに、過去は
平成25年度 38.37%
平成26年度 36.05%(▲2.32 復興特別法人税廃止)
平成27年度 34.33%(▲1.72 法人税率引下げ)
平成28年度 33.80%(▲0.53 さらに法人税率引下げ)
となってきており、このアベノミクスの3年間で中小企業の税率も、▲4.57ポイント、引き下がりました。
なお、中小企業の法人実効税率33.8%が資本金1億円超の大企業の29.97%より高いのは、外形標準課税の適用がないためです。
これだけ下がってくると、役員報酬と法人の利益のバランスを再度、見直す必要があるでしょう。
具体的には、高い所得税や社会保険料を払って高額な役員報酬をもらうよりも、ある程度、会社で内部留保しておいて、最終的に役員退職金でもらうのが賢い節税方法になります。
(土井竜二)